<焦げ付きについて>

製造工程でできる”砂目”

南部鉄器は主に、溶かした鉄を型に流し込み冷まして固める「鋳造」という製造方法をとっています。しかし、溶けた鉄を型に流し込む時、鉄やアルミなどの型だと流し込んだ鉄の温度で型自体が溶けてしまうので、南部鉄器の鋳造には「砂型」と呼ばれる砂を固めた特殊な型を使用します。その時に砂型の目が写し取られ、鉄器の表面にはごく細かな凹凸が出来ます。ここに油がしみこみ、さらに過熱された空気が入り込むことで焦げ付きを防ぐはたらきをします。

 

使い込むことでさらに焦げ付きにくく

何回も何回も使い込むことにより、1回の使用では砂目全部に行き渡らなかった油が全体に行き渡り、その次に使う時はさらに油なじみがよくなっていきます。ただでさえ黒い南部鉄器はさらに黒くツヤツヤとしてきます。この黒光りした表面が南部鉄器が焦げ付きにくい要因のひとつです。このせっかく時間を掛けて馴染んだ油を落とさないためにも、使用後のお手入れには洗剤は使用しないで下さい。洗剤を使ってしまうと砂目の凹凸に馴染んだ油を全て落とす結果となってしまい、焦げ付きやすくなってしまいます(同時に錆びも出やすくなってしまいます)。お手入れには鉄器を傷つけにくい「ササラ」や「亀の子ダワシ」などを使用し、お湯ですすぐように洗って下さい。
万が一焦げ付きが生じた場合には、お湯に10〜15分程度漬けておけば簡単に剥がれていきます。

 


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