<厚みについて>

温度にムラが出来にくい

南部鉄器は本体に厚み(約4〜10mm)があり、たくさんの熱を蓄えるため保温性が高く、さらにその蓄えた熱を全体にまんべんなくじんわりと伝えるため、温度差ができにくい特性をもっています。厚みの少ない調理器具だと熱をたくさん保有することが出来ず、温度差が生じてしまい局部的に加熱してしまうので、しっかりと食材の中まで火が通らなかったり焦げ付きが起きたりします。特に調理中の熱ムラを嫌う「天ぷら」や「フライ」などの揚げ物は、南部鉄器で調理することによりカラッと仕上がります。

 

冷めにくい

鉄は一度溜め込んだ熱を簡単には逃がしません。条件を同じくして沸騰したお湯が常温まで冷めるまでにはアルミの約1.5倍もの時間がかかります。

また、アルミと同じくよく調理器具として使用されることのあるステンレス(ここでは「18-8ステンレス(SUS304)」で計算)より熱伝導率が優れているので、調理中も食材を入れても冷めにくいのが特徴です。一般室温付近での熱伝導率はステンレスの4〜5倍も優れています。

 

よって、料理がおいしい

ごくごく一般的な調理器具の厚みは1〜2mmなのに対し、その倍以上の厚みがある南部鉄器は食材を入れても温度が下がりにくい性質があります。これは料理のおいしさにも関係してきます。 よく、「南部鉄器で料理したら野菜がおいしくなった!」「肉を焼いたらスーパーの特売肉が高級肉になった!」という声を聞きますが、いったいこれはどういうことなのでしょうか?

「南部鉄器で料理したら野菜がおいしくなった!」はなぜ?
根菜類の主成分は何かご存知ですか?食物繊維・・・?タンパク質・・・?炭水化物・・・?ビタミン・・・?いえいえ、実は「水分」です。多いもので100g中90gを超える部分が水分になっていて、少ないもの(芋類)でも半分以上は水分で構成されています。野菜が美味しいと感じるのは南部鉄器の調理器具がこの水分を上手に利用しているからなんです。
塩や醤油・味噌などの塩分を含む調味料で野菜を炒めると浸透圧の関係で野菜からたくさん水分が出てきます。経験がある方もいらっしゃるかとは思いますが、厚みのないフライパンで 野菜を炒めている時、野菜から出た水分がフライパンの底に溜まっていることがあります。これは食材を入れたときに調理器具の温度が下がり、さらに調味料を入れた時に下がり、すぐには蒸発せずに溜まってしまった水分になります。このような状態になるともはや「炒める」ではなく「茹でる」に近い状態です。茹で野菜のようにシャキシャキ感は失われるばかりか、水溶性の栄養はここで溶け出してしまいます。しかし、厚みのある南部鉄器の調理器具は食材を入れても温度が下がりにくいので、野菜から出た水分をすぐに蒸発させるため「炒める」と同時にその蒸気で「蒸す」状態となっています。なので野菜のシャキシャキ感は失われずに火が通り、さらにもともと野菜からでた水分で蒸されているので甘みも損なわれることがありません。
だから、 「南部鉄器で料理したら野菜がおいしくなった!」のです。

「南部鉄器でステーキ肉を焼いたらスーパーの特売肉が高級肉になった!」はなぜ?
「厚みがあるから温度が下がりにくい」このことは先にいいましたが、肉の場合は「温度にムラが出来にくい」そして「蓄えた熱を全体にまんべんなくじんわりと伝える」という方が関係しています。話は変わりますが冬に炭火に手をかざして暖をとっていると中からじんわりと暖められ体中がポカポカしているような感覚を味わったことはありませんか?実はあれとほとんど一緒の感覚です。薄い鉄板などで焼くとガス火や電磁調理器の場合は熱をダイレクトに食材に伝えてしまうため、熱ムラができて局部的に加熱し外側だけを焼いてしまい、厚みのある肉を焼こうとすると中まで火を通しているうちに表面が真っ黒焦げ・・・になってしまいます。その点厚みのある南部鉄器の鉄板で焼くと、熱源から受けた熱を一旦蓄えてから放出するのでじんわりと食材に伝わり熱ムラができずに中まで火が通り美味しく焼くことができます。
だから、「南部鉄器でステーキ肉を焼いたらスーパーの特売肉が高級肉になった!」のです
身近なもので例えるならば「エアコン(=薄い鉄板)」と「炭火(=熱い鉄板)」みたいなもので、空気を暖めるのが「エアコン(=薄い鉄板)」ならば、物質を芯まで暖めるのが「炭火(=熱い鉄板)」・・・と言ったところでしょうか・・・。

 

 


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